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「1冊まるごと佐藤可士和。」を読んで。ヘコんだり鼓舞されたり。
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- 2011-04-12 (火)
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会社のデザイナーの子に借りてた「1冊まるごと佐藤可士和。」を読みました。どうやら彼は、もうこの本を何回も読んでいるらしい。。へえ〜、それもうなずける。
毎日、夕方のパン休憩の時にちびちびと読む。は〜、へ〜、とただ圧倒され、やる気を鼓舞され、そしてヘコみ・・。
比べるなんてほんっとおこがましいですけど、思ってしまうから仕方ないです。人ってこうも違うものなのかなんて。でも、ほんのり希望の光も見せてくれる。少しだけ。
発売されたのが2007年、2006年くらいまでの可士和さんの仕事がとりあげられているのだけど、その時のぼくなんて、デザインという概念すらなかった頃。どれだけたくさんの音楽を聴くかにしかエネルギーを注げなかった頃 (今思えばありえない)。ステップワゴンとか、SMAPのとか、チビレモンとか、テレビで見て知ってはいたものの、それが「どう」っていう概念がそもそもなかった。
と。どうでもいい昔話になってしまった。とにかく、デザインって、形や見た目をステキにするだけじゃないってことですね。(いまさら)
本では、「コンセプトをデザインする」という表現が使われていたように思います。対象の世界観や、それを使う人の体験、デザインするものを取り巻くものを含めてデザインする。よくはわかっていないけど、ぼくもそんなことができたらいいなって、思いました。
デザインの力を必要としているもの
最後のほうに「どこが凄いのか、各界50人の証言。」というコーナーがあって、各界の著名な人たちが可士和さんについて一言語ってました。その中でおそらく「どんなものをデザインしてもらいたいか?」という質問があったのでしょう。皆さんが好き勝手に挙げてました。興味深かったので、その部分だけ引用してみました。
「どこが凄いのか、各界50人の証言。」より可士和さんにデザインして欲しいモノ・コトのまとめ
- もし彼が舞台美術を手がけたら
- 佛壇のデザイン
- 「?」ではない現代的なイメージの温泉のマーク
- いろいろな組み合わせができるソファシステム
- 映画の総合プロデュース
- 日本国紙幣
- デザインホテル
- 飛行機、機内グッズ
- カーナビ
- スポーツ新聞
- バキバキのスポーツカー
- サーフボード
- 介護施設や病院など、人を元気にしてくれる仕事
- 自分の著作のデザイン (小林紀晴さん)
- 全世界共通の交通標識
- 切手やパスネット
- 教科書
- 飛行場
- 包装紙、紙袋、シールなどパッケージ用品
- 書道用に硯 (すずり) と額
- 浜辺をデザインしてほしい
- クラブを一緒に作ってみたい
- 我々と一緒に病院を作ってみませんか
- トレーニングマシーンや松葉杖など、精神と日常生活のバランスを図る類のモノ
- 渋谷「109」の看板
- リゾートホテルのプール
- 新しいアイスクリーム
- スケジュールを見てウンザリする気分を和らげてくれるカレンダー
- 時計 (無形で変化するものを目に見えるかたちでどう表現するのか)
- 私 (真矢みきさん) をデザインしてほしい!
- マウスとマウスパッド (気持ちが明るくなるようなデザインであれば最高)
- 世界に誇れる日本車
- ぼくの作品のパッケージ (水口哲也さん)
- ゴミ袋 (あまりに貧しく心が痛い)
- ガードレール (もう飽きたし不吉な気持ちになる)
- CDのジャケット (村治佳織さん)
- ギター演奏用の椅子
- 日本国通貨をデザインしてほしい
- 「雛祭り」「端午の節句」という和の伝統をどう組み立て直すか
- 私 (安森健さん) の眼鏡
- コンピュータなどのオフィス機器
- 国産車 (グレイッシュなカラーセンスを根本的に変えて欲しい)
- 動く立体ということで映画
ざーっとあげると、このようなカンジです。なんとも興味深いですね。リクエストするほうも、ここにあがってるものの発想からして、普段のものを見る目が普通の人とは違うのかな、と感じます。(日本国紙幣!佛壇!ひな祭り!私自身って!!)
そして、可士和さんの期待されている度合いがハンパない。そしてたぶんその期待に、十分応えてくれるんだろうということは想像がつきます。各界の一線の人たちが不満に感じている、とまでは言わないにしても、「デザインの力」を必要としているものって、こんなにあるんですね。実際ここにあがってるもの可士和流の潔くてキャッチーなデザイン、全部見てみたいです。
ぼくだったら、そうですね、
- レンズを向けられた人が楽しくて笑顔になるカメラ
をお願いしたいです。(撮る側が努力しろってハナシもありますが。。)
また話逸れましたが、そんな素敵なデザインがたくさん生まれるように、「デザインする力」を持った人がたくさんいたらいいなーと思いました。
そうそう、キミもがんばんなさいよ。ということで、セミナー二つ申し込みました。
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