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味だけじゃない、僕らは情報をも食べている。

ある日の天声人語にこのようにあった。

▼食材の偽装に関して納得の言葉があった。コラムニストのブルボン小林さん(41)は以前、コーラと言われて渡された麦茶を飲んで「うぇっ」と驚いた。事前にコーラという「言葉」を与えられていたからだ。すなわち「我々は物を食すとき、言語も食べている」 朝日新聞「天声人語」より

この文章を読んでから、おそらく2、3日後。お昼ごはんを食べた後、机に突っ伏していたら、こんなフレーズが思い浮かんだ。

『味だけじゃない、僕らは情報をも食べている。』

もちろん天声人語が引き金だろう。それと同時に、あるひとりの農家さんのことも同時に頭の中に浮かんでいた。

しかし、この話、別のどこかで見聞きした気がして、記憶を探っていくと梅棹忠夫さんの情報の文明学だと思いだした。僕が、最初に"それ"を意識したのは、情報の文明学を読んだときだったのだ。

味そのもの以外にも、食べものそのものの見た目、パッケージの見た目、食べる場所の雰囲気‥‥、様々な要素をいっしょくたに味わっている。

この頃、農家さんとのお付き合いが多いのだけれど、野菜であれば、その農家さんの人となり、性格、言動、思想‥‥、その人のすべてを食べていることになるのだな。

料理人しかりかもしれない。僕が生業としているホームページ作りでも同じである、といっても飛躍のし過ぎではないだろう。

僕が作るホームページのできばえは、できあがったホームページだけでなく、ぼく自身のすべてを総合して評価されていると考えたほうがよい。まあ、野菜や料理の味が不味くては人もなにもあったもんじゃない、というのはデザインの世界でも同じなのだろうけど。

話は変わってほぼ日の父が「情報の文明学」であるというのは、公言されているとおり。

ちょうど最近までやっていたコンテンツ、フミ子さんのゆず胡椒。 - ほぼ日刊イトイ新聞。なるほど、このコンテンツを読めば、柚子胡椒の味だけでなく、ストーリーを感じてお母さんの人となりまで味わうことになろうか。


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