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HCD (人間中心設計) セミナー4回目。シナリオ/ペルソナ法 講義まとめ
- 2010-07-20 (火)
- ログ
この記事は筆者によるセミナーの感想です。内容については、個人の主観が入っている部分や、間違って理解している部分もがあるかと思いますが、ご了承の上お読みください。
毎月の恒例になっている、『WEBサイト制作者のためのHCD(人間中心設計)の理解 in 名古屋』の 4回目に先日参加してきました。
セミナーも 4回目となり、参加者さんにも顔見知りの方が増えてきて、「ブログよくまとまってるね」なんていううれしいお言葉をいただいたりしています。
だから、というわけではなく、目的は自分自身の内省 (リフレクション) ということで書いておきます。
でも、もしお読みいただけたら、それはそれでうれしいです。(素直じゃないなあ・・・)
今回は、「ペルソナ/シナリオ法」についてです。では、どうぞ。
講義
毎度のことですが、とにかく急ぎ足です。1時間の講義で HCD の大枠の復習、今回のペルソナ/シナリオ法についての概要と、作業について説明がありました。
わかりにくくてまぎらわしい用語がたくさんでてくるけど (その辺り人間中心でない!) 、毎回でてると少しずつわかってきます。重要なことをポロッと言うので、ボーっとしてると聞きのがします。
重要そうなところをかいつまんで紹介します。
ペルソナ/シナリオ法って?
人間中心設計 (HCD) プロセスの、あくまで 1手法であって、ペルソナ = HCD ではない。
4つの HCD プロセスの中の 1つ。
4つの HCD プロセスのおさらい
- 調査しなさい
- 視覚化しなさい (今回これ)
- 試作しなさい
- 評価しなさい
- 1 調査しなさいにもどる (これ大事)
ゴム製ユーザーじゃだめ
チームでなにかをする時には、チーム内の共通認識が大事。ただし、漠然と「若者がターゲット」と決めたとしても、人によって想像する「若者像」が違う。それを「ゴム製ユーザー」と呼ぶ。共通認識をとるために、ペルソナ/シナリオ法が有効。
「誰にでも」はあり得ない
誰にでも使いやすいものは存在しない。
10%のニッチなニーズに、100%応える。
これが大事。
例えば、キャリーバッグ。
20年前は当時で言うスチュワーデスさんしか使っていなくて、スチュワーデスさんに使いやすいようにできていた。ある一定の層に使いやすいものは、みんなに受け入れられることが多い。だからユーザーを絞っていくのはいいこと。
見える化
開発者は、自分がユーザーになってしまいがち。ペルソナを作成して見える化した方がいい。
ペルソナ (人格) 、ゴール (目的) 、シナリオ (物語) 、を作成するとわかりやすい、知らない人に説明して伝わりやすい。ゴールを決めてそれを目指そう。それがゴールダイレクテッドデザイン。
「ユーザーのことをいつも考える」なんて無理
人間中心 (ユーザー中心) と口を酸っぱくして言っているが、ユーザーのことをいつも考えてものを作るなんてのは無理。むしろ、すぐれた開発者ほどユーザーのことを考えて作らない。
じゃあどうすればいいかといえば、ペルソナを連れてきて「テスト」する。参加してもらうことが大事。
行間を読む国民性が足を引っ張る
日本人の国民性、行間を読む (空気を読む) ことが、逆にチームプレイの足をひっぱることがある。そこでペルソナを作って可視化することが大切。逆に米国人は曖昧にせず白黒はっきりと口に出す。
ペルソナ君人形
ペルソナができたら、それを人形にしておくというのはいいアイディア。
例えば会議で、ペルソナ君をもとに話を進める。声の大きい (プレゼン能力のある) 人が勝ってしまう会議はだめ。ペルソナくんがいると、そうなりづらい。
スーパーひとしくんみたいなのを想像すればいいのかな?
ペルソナ < シナリオ
ペルソナを作ってハイ満足、なんて話を聞くけど本当に重要なのはゴールとシナリオのほう。ペルソナはおまけ、ってのはちょっといいすぎ?
ペルソナ/シナリオの作成手順
この辺りから実際の作成手順です。本来の方法に加えて、今回課題としてやってみる突貫工事バージョンも合わせての説明がありました。
ペルソナ/シナリオ作成はインタビューが基本
インタビューを元にペルソナ/シナリオを作る。
半構造化インタービュー (デプスインタビュー、エスノグラフィックインタビュー) がいい。 信頼関係を築く。本当の問題に気づいていない場合に役立つ。
会場より現場で聞くほうがいい。問題は会議室じゃなくて、現場で起こってる。
シナリオ作成の注意事項
インタビューした内容を書き起こす。生っぽさをなくさないように、その人の言葉を使って、物語を書くように。
録音して書き起こすとか無駄、この辺りの話は本に書いてないことが多い。でも重要。
キーワードを拾って、カードソートで分類
ポストイットに書いて壁に貼っていく。このとき単語で書かない。これを第二回で習ったカードソートで分類していく。
先生からこの「単語で書かない」を毎回言われるのだけど、ようやくわかってきた感じです。ノートとるときも似ていて、単語で書くと後から見て何が書いてあるかぜんぜんわかんない。
2つの人格から、1つのペルソナ
一般的に、6〜7名くらいのインタビューをする。すると大きく2種類にわかれることが多い。その似たものを合わせてペルソナを作っていく。 でも、それ以外の少数意見も大事にする。
アクティビティーシナリオが大事
シナリオには 2種類ある。
- アクティビティーシナリオ (気持ち、物語)
- インタラクションシナリオ (行動、答え)
大事なのははアクティビティーシナリオ。こちらがあれば、インタラクションシナリオは書ける。
第三回ではまったところですが、タスクとなり得るのがアクティビティーシナリオですね。ここは罠におちいりがちです。
要するに漠然と何かを探している人が、「まず自分のサイトに来たところから」なんてことはあり得ないということ。
「先生の本は教典ですか?」
講義の最後で先生も参加している本の紹介がありました。たしか「情報デザインの教室」と言うタイトルで、8月発売だったと思います。
休憩時間に「8月に出る本は教典ですか?」って聞いてたら「テンプレートなんかもついていて実用的なものだぞ」とのことでした。
ちなみに「教典」とはたびたび浅野先生の話にあがる例え。
分厚い本を買ってもなかなか読めない。でも「おれはこれをやるんだぞ」とか「おれの言ってることは間違っていないんだぞ」という内省のために神棚に飾っておくためのものだそうです。(そんなんでいいのか)
「教典」の例
- Amazon.co.jp: コンピュータは、むずかしすぎて使えない!: アラン クーパー, Alan Cooper, 山形 浩生: 本
- Amazon.co.jp: それは「情報」ではない。―無情報爆発時代を生き抜くためのコミュニケーション・デザイン: リチャード・S. ワーマン, 金井 哲夫: 本
さて、ちょっと長くなってしまったので今回はこのくらいで。
次は課題〜懇親会〜味仙でのことまで、書きます。
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