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HCD(人間中心設計)をWeb制作に活かす時のいくつかのハードル
- 2014-03-13 (木)
- 頭ん中
HCD(人間中心設計)のセミナーに参加し始めたのが、2010年の4月のこと。だからもう、4年ほどになります。
ちょうど時を同じくして、Webディレクターとして、ホームページ制作のディレクションに関わるようになります。
いくつかのサイトを立ち上げてきて、そして今進行中の、目の前のサイトに対峙して、HCDをフルにWebディレクションに活かすためのハードルの高さ感じています。
見る人が見れば、ただの「いい訳エントリー」に見えなくもないですが、そこはそれ。エイヤっと所感を書いてみます。
いくつかのハードル
クライアントの理解
まず立ちはだかるのは、クライアント(決裁者および担当者)に以下のような理解が得られるか。
- 真にマーケットインの志向があるか?
- 「ホームページを見てくれるエンドユーザーのためを思って作りましょう、それが御社のためになります」ということを信じて実行してくれるか。
- WebやITのリテラシーはあるか?
- 例えば「ホームページって、もはやサービスの一部ですよね?」と聞いて、当たり前に返事が返ってくること。Webに慣れ親しんでいないと、ユーザーを想像するのは難しい。
- 強い目的意識と、達成する意欲があるか?
- 誤解を恐れずに言えば、HCDは正直面倒くさい。エンドユーザーを連れてくるとか、ビデオに撮って時間を計るとか。しかし、もちろん手間をかけた分の収穫はあるはずです。
- プロジェクトの目的と一致しているか?
- HCDのファーストステップが「人間中心設計の必要性の特定」であるわけですが、本当に必要なのか?それどころか、実際のWeb制作の現場では、「目的」が明確になっていないこともしばしばです。
予算の問題
次に予算の問題。HCDは時間がかかります。予算(お金)=時間であるわけですから、予算が付かなければできません。
クライアントの理解にも関連しますが、制作費に余裕があること。現場を見渡してみると、そうそう余裕のある案件はなさそうです。
裏技としては、予算を顧みず実行すること。ある意味「投資」と捉え、クライアントへの成果または自分の成長へ、先に投資するという考え方もなくはありません。(あまりオススメはできません。。)
制作チームの問題
一般的なWeb制作のフローとは違うことをするわけですから、制作チームの理解があることが重要でしょう。(セミナー参加者さんと、社内での孤軍奮闘話をよくしたものです)
チームメンバーの中に複数人HCDを理解した人がいる、または、新しい風を受け入れることのできるメンバーがいることが望ましいです。
また、導入を提案する人の「職域」の問題もあります。
一般的に言われる、Webディレクターの職域、またはWebプロデューサーの職域のひとがひっぱっていけばいいのですが、以前ぼくが担当していたマークアップエンジニアの立場(またはWebデザイナーの立場)、つまり下流行程を担当している人間からでは、導入は難しそうです。
とはいえ…
このように、Web制作にHCDの手法を取り入れるのはとてもハードルが高いことがおわかりいただけたと思います、が!!
が、しかしです!HCDを学んだことで、日々のWeb制作の仕事にすごくプラスになっていると感じます。
HCDをフルにWeb制作に導入するのはむずかしい、しかし、確実に活きている。
という、なんじゃそらな結論になってしまいましたが、では、どう「活きている」のか?は、考えがまとまっていないので、また機会があれば書いてみたいと思います。
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