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WCANフォトワークショップに行ってきました
- 2010-05-25 (火)
- ログ
「WCAN フォトワークショップ」に参加してきました。 Web を仕事にしている人が知っていると便利な写真の知識を、みんなで楽しく学びましょう!というもの。 (詳細は WCAN 2010 Photograph Workshop でどうぞ。)
いろいろ勉強になったので、忘れないうちに書いておきます。
とりあえず、キーワードとなる「言葉」をつらつらと書いていきます。 先生のことばもあれば、話を聞いて自分で考えたものもあり。
(おおざっぱに書いていますので、実際に参加されていないとわかりにくいところもあるかと思います。)
今回のキーワード
- デジカメの機能は日進月歩。でも写真の基礎は100年間変わってない
- "真実"を"写す"のが写真ではなくて、Photo Graph (光で描く) のが写真
- 写真を撮るときに決める要素には、それぞれに違った役割がある
- 写真に正解はない。"意図"と"表現したいこと"がある
- ボケー (Bokeh)
- "暗い"というのは表現の"選択"が少なくなるということ
- カメラは写しているのが白いものか黒いものかわからない
- 「一眼レフ」は写すその"瞬間"が見えない厄介なもの
- 光がないと不自由。光が多い方が描きやすい
- ISO感度、画質についてはトレードオフ
- ホワイトバランス、"白"にすればいいってもんじゃない
- センサーサイズが小さいのに、「○千万画素!超高画質!」なわけがない
- 写真とデザインは基本は同じです!
- 「おいしそう」は大事、でも「実際においしい」がもっと大事
- 神は細部に宿る。プロは四隅に気を配る
- 構図はシンプルに
- 知識や技術は「味」をなくしていく作業
- 小物はモデルをリラックスさせる (ピースサインも?)
けっこうありますね〜。
ここから一部をくわしく掘り下げて。
写真を撮るときに決める要素には、それぞれに違った役割がある
シャッタースピード (Tv) なら、
- 一生懸命さを表現
- スピード感を表現
- 流れを表現
など。
絞り (Av) なら、
- 奥行き、空気、雰囲気を表現
- ボケによって主題を明確に
- 見せたいものを隠す
など。
「こんな写真を撮りたい」と思ったとき、なにを表現したいかによってどの要素を変えるかが決まっているってことですね。
写真に正解はない。"意図"と"表現したいこと"がある
これが"唯一の正解"というものはなく、「こんな写真が撮りたい」という意図に対して成功と失敗はある。
絶対的な失敗という写真はなくて、意図したように撮れないのが失敗ということですね。 ということは、写真を撮る前に、"意図"とか"目的"がはっきりしてないとダメってことですね。
「一眼レフ」は写すその"瞬間"が見えない厄介なもの
一眼レフというカメラは、シャッターを切っている間ファインダーからは何も見えない。
誰だったかが、本当にだいじなものは"目で見なきゃだめ"っていっていたような。
糸井さんだったかな。
ISO感度、画質についてはトレードオフ
ISO感度をあげれば、暗い場所でも表現の幅は広がるが画質は荒くなる。
最近この"トレードオフ"というキーワードによくあたります。
何にしても万能はなくって、良いところも悪いところもある。だもんで、目的にあったものを"選択"できる"目"が大事ってことでしょうか。
ホワイトバランスは"白"にすればいいってもんじゃない
ホワイトバランスは白に調節するためのものではない。あくまでも写真で伝えたい目的をはっきりさせ雰囲気を優先させる。
「夕方だけど昼に見せたい」とか「もっとおいしそうに見せたい」とか、ちょっとしたウソとか誇張したいときに効果的に使えるってことでしょうか。
「おいしそう」は大事、でも「実際においしい」がもっと大事
いくら上手においしそうに写真を撮ったって、実際においしくなかったらダメじゃん、ということ。
当たり前すぎる話ですが、どれだけおいしそうに撮っても料理人の努力がなく、お客さんに伝わらなかったら虚しいですよね。
構図はシンプルに
おいしいものにすべてのおいしい調味料が使ってあるわけじゃないですよね。 足し算じゃなくて、引き算。
構図をきめる10つの要素
- パターン
- シンメトリー (左右対称、非対称)
- テクスチャー
- 被写界深度 (何が主役か)
- ライン
- フレーミング (写真の中にさらに窓を設けるとか)
- 遠近法
- 空間 (すきま)
- バランス (対比)
- 色
デザインの勉強をしたことないので目からウロコでした。
避けたい失敗構図
- 微妙に傾く (なんか気持ち悪い)
- 日の丸量産
- 首切り (背景が首を切る)
- 串刺し (頭からなんか生える)
- 間接切り (人の関節で切る)
実際の失敗例を見て納得。言葉でも説明してもらえて理解も深まります。
知識や技術は「味」をなくしていく作業
講義を聴いていて思ったのが、知識や技術できれいな写真を撮るっていうのは、「味」をなくしていく作業なのではなかろうか。 特に失敗構図の例なんかは、「味写」でいったら成功写真ばっかりでしたもん。 逆に言うと、商業写真に「味」があってはマズイということ。「味」が出ないように知識と技術を身につける。 (ここでいう「味」は「味写」からきています)
あともう一つ、常日ごろからかんじているのだけど
"いい写真"と"こころが動く写真"は別もの
ということなんだろう。
すごくきれいで洗練された写真でも特に感じるものがなかったり、なんでもない写真にこころが動いたり。 そこのところは技術とは別なんだろうなー。
なんとなく、自分の理解できる範囲のものにはあまり感動しないんじゃないか、と。それくらいのことがわかる程度です。
ぱっと思いつく好きな写真をあげてみる。
横尾さんの写真集なんかは、ただ「十字路」を撮っていうだけで、しかも小さな画像で見てもぞくぞくしてくる、もうなにがなんだか・・・
この中でも本格的に写真を勉強した人していない人がいると思うので、やっぱり「なにが絶対」って絶対にありえないんだけど、横尾さんは「三脚たっててシャッター押してるだけ」っていうし、うめかよは写真学校行っててもサボって「Pモードしか知らない」っていうし。不思議だー。
全然関係ないけど20代前半のころは 蜷川実花 さんが大好きでした。
これらをふまえて実際に撮る!
- 課題
- * ランチの写真
- * モデルさんの写真を3パターン
3人一組で撮り撮られ、なので自分もモデルになりました。
反省点
- とにかく枚数をもっと撮る (その中に偶然いい写真がある)
- モデルになったら恥を捨てる (皆さんすてきな写真撮ってました)
- 注意されない (30にもなって・・・)
やっぱり人を撮るとき、どうやってリラックスさせるかがポイントだなーと思いました。そしてとても難しい。これなんか、写真の技術というより人柄の部分もおおきいですよね。うめかよのどんなシーンでシャッター切っても憎めないとことか、誰だっけか、子供の写真が上手な写真家さんの背が子供くらい小さいとか。
人をすてきに撮るには人間力も必要。
ちなみにこんな写真を撮りました
勉強会の性質上ノン補正で。
モデルさんの写真は、「こんなポーズでお願いします」って撮ったものもあるのですが、自然な感じの写真がはまってました。
懇親会 ("内省"つまりリフレクションタイム)
浅野先生曰く、「こういった勉強会に参加したら、懇親会でみんなと話して理解を深めるのがいい。これが"内省"つまりリフレクションだ」 ということで、ここのとこ参加率が高いです。今回も参加しました。
とかいいつつ、
飲んで食べて笑って楽しい時間でした 笑
もちろんそれだけじゃなく、Web業界の先達の皆さんからスケールのでかいお話がいろいろ聞けるのもいいところ。外の世界のことがいろいろと知れます。あと、やっぱり出会いは財産だなー思います。
ちょっと長くなってしまったのでこのへんで。
主催のアップルップルさん、講師のおかだよういちさん、ありがとうございました。
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