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朝日新聞 沖野修也さんの「HMV渋谷閉店」の記事から考える「レコードソムリエ」のこと

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昨日の朝日新聞に「HMV渋谷閉店」に関する記事が2つ載っていた。一つはこれ。

苦境続き、HMV渋谷店閉店 存在意義探るCD店 - 音楽 - 映画・音楽・芸能

ぼくはHMV渋谷には一度も行ったことはないし、当時渋谷系というものが流行っていたことさえ知らないのだけど、遅れてきたにわか渋谷系ファンとしては気になるニュースだった。

でも、ぼくが紹介したいのはもう一つのほう。この記事を書いた沖野修也さんの想いにとても共感し、今よくいわれている「音楽業界の衰退」というやつについてちょっと考えてみた。

"思わず足を運びたくなるようなCDショップは、非現実的な話ではない"

ウェブに上にアーカイブがないみたいなので、少し引用してご紹介。

日本でも屈指の商業地区での実店舗の撤退は"お店に足を運ぶ"という日本人の消費行動の変化を現しているのかもしれない。

ところが、HMV渋谷の閉店に際し行われた数々の店内イベントが、思わぬ波及を投げかけることになった。フェスティバル級の豪華なラインアップがすべて無料。ミュージシャンと評論家のクロストークや、閉店というきっかけがなければ実現しなかったコラボレーション、アーティストが自ら自腹で購入したCDを公開するなどユニーク企画で連日店内は大いに賑わった。しかも、出演者は、ツイッターという非常に今日的デジタルな伝達ツールによって呼びかけ合い、これらのイベントに参加したのだ。

そこに足を運ばないと体験できない催しこそが、店舗を、そして、音楽販売を盛り上げる突破口になり得るということが、奇しくも改めて明らかになった。ネットの影響で苦境に立たされたCDショップがネットを利用して集客したことも話題となった。出演者や店員からは、「どうしてこういう事をもっと積極的にやって来なかったのか」という反省の声も聞かれた。

(中略)

曲単位のダウンロードや、趣味や娯楽の多様化で、CD販売が低迷しているのは否定できない事実だが、店舗のメリットを活かした工夫や商法の見直しで活路を見いだすことは出来るはずだ。顧客に最高のサービスを提供できていたのか?

(中略)

単にモノを売るということの前に、リアルな体験の演出や直接的なコミュニケーションという人間らしい営みの重要性を、いま一度、僕たち業界人は見直すべき時期なのかもしれない。思わず足を運びたくなるようなCDショップの需要は、非現実的な話ではないと思う。(2010年8月28日付 朝日新聞 文化面「HMV渋谷 閉店に寄せて 足を運ばせる演出に目を」より)

とっても共感

自分の今までの体験や、このところ見聞きしたこと、例えば、不況時に成功している会社の企業努力のこと、「消費のクリエイティブ」のこと、自分の「仕事に誇りを持って好きになる」こと、そんなことからいろんなことが頭をよぎった。

本当にCDは売れなくなってしまったのか?
そうやって決めつけてただけじゃないのか?
本当に買ってもらうための努力をしていたのか?
イスに座ってぼーっとしていただけじゃないのか?

最近閉店してしまった、豊田駅にあったレコードや「名豊ミュージック」のことも頭をよぎる。

音楽好きな人って、常に新しい音楽を求めてる。でも音楽に飢えてても当たりを引き当てられないことが多い。たくさんありすぎるし、誰かがいいって言っても、人によって好みが分かれるものだから。大手はポップとかすごく工夫してるけど、やっぱり"ひと"でつながれそうなのは小さな個人ショップだと思う。もし、音楽の図書館みたいな店員さんがいて、オススメのCDを紹介してくれるなら、毎日でも足を運んだんじゃないかなあ。

といっても、売る側だけじゃなくて、聴く側ももっと能動的にならなきゃだめってものあるけど。ヒットチャートを追いかけるだけじゃなくて、自分から能動的に、自分の好きだと思う音楽を選んで買う。自分も中学校の頃とかそうだったからわかるんだけど、「ヒットチャートなら間違いないだろう」とか、完全な思考停止だから。

レコードソムリエ なんてひとがいれば

自分の好みの、まさに今聴きたい一枚を、たった一度でいいから言い当ててくれたら、次から毎回通うようになるんじゃないかと思う。「おじさん、次はなに聴いたらいい?」って。流行の言葉をつかうと、「本ソムリエ」ならぬ、「CDソムリエ」、いや、なんかそれだとカッコ悪いから、「レコードソムリエ」かな。

そんな職業あったら、あこがれるんだけどなあ。


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コメント

ミズノケイスケ 2010-09-04 (土) 00:56
>ミルミルさん
ええ、ええ。
ほんと、いたらいいのに。
ミルミル 2010-09-03 (金) 02:39
「レコードソムリエ」っていいですねぇ。
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