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WCAN 2010 Winter に参加して。今後どうしていくべきかちょっと見えた。(気がする)

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12月18日に行われた WCAN 2010 Winter の感想やら、学んだことをまとめてこうと思います。年が変わらないうちにやんなきゃ。年内ねんない・・。

さて、今回のWCANは、株式会社ワンパクの阿部 淳也さん、couldの長谷川 恭久さん (肩書きってなんだろう)、株式会社タービン・インタラクティブの志水 哲也さんの3名によるセッションが主な内容でした。どのお話も心に触れるところがあり聞くことができてよかったと思っています。

セッション全体を通しての印象をすごくおおまかに表現すると、「ひと」を感じて意識していようということを何度も感じたように思います。作っている Web サイトは人が使うものだし、クライアントも会社という組織以前に人、もちろん一緒に作っているメンバーも人。当たり前のことなんだけど、こんなことが記憶に残っているということは、自分に欠けていて印象づけられたということでしょうか。

以下、詳しく見ていきます。

[SESSION-1] :「クライアントと共に考え・つくる」〜 ディスカッション・コミットメント式要件定義のすすめ

株式会社ワンパクの阿部さんのセッションです。

リアル + ネット のアイデア

はじめにあった自己紹介では、自分が普段利用している iPhone アプリやテレビで見る企業なんかも出てできて、スケールの大きさを感じました。リアルとネットをつなげるアイデアが勝負ということをおっしゃっていましたが、規模の大小にかかわらず、今自分の仕事においても、そのような「リアル + ネット」の発想は重要だと感じました。

Web 業界が疲れてる!?

こういったセミナーだったり、同じ Web 業界の方たちと話していてもたびたび聞く話です。その「疲れている Web 業界を解決する手がかりを見つけること」を今回のセッションのゴールにしよう、というお話がありました。

  • 役割分担が明確なヒエラルキーに問題がある。ほかの分野も補えるのが理想
  • 目指すのは個人の満足ではなくクライアントの問題解決
  • Web はコミュニケーションを作るツールということを意識する

このようなことが大事だと感じました。

ディスカッション・コミットメント式?

「ディスカッション・コミットメント式要件定義」という聞きなれない言葉がセッション名に入っています。

要件定義
誰 (プロジェクトメンバー + クライアント) が「なに」を「いくら」で「どうやって」「どういう順番」でやって、最終的に「どこ」をめざすか?

という説明がありました。

それを「ディスカッション・コミットメント式」で進めるというのは、決定の合意をとる際に参加してもらい、深く納得してもらうことだと理解しました。ホームページを作るとなると、専門家であるぼくらが主導になるわけですが、クライアントさんとの相互理解がなければ成果はでませんし、決定事項が曖昧だと思うように進みません。

人事 (ひとごと) を自分事 (じぶんごと) に

というわかりやすい言葉をいただきましたが、まるなげ状態のクライアントさんを自分事にもっていくための手法が「ディスカッション・コミットメント式」なのだと思いました。

具体的な手法もたくさん紹介していただきました。これについては、一連の HCD セミナーに出ていてなんとなく知っている方法がいろいろ出てきました。これはフィジカル (身体) を使った手法と言えると思うのですが、製品やサイトを使いやすくするためだけでなく、プロジェクトを円滑に進めることができたり、クライアントさんの満足度を上げる効果もあるのだと思いました。

[SESSION-2] ゲームから学べる楽しいユーザー体験

長谷川 恭久さんのセッションです。長谷川さんのお話は、昨年の冬の WCAN で聞いていて2度目です。あと、ブログ「could」 は、よく拝見しているので、楽しみにしていました。「ゲームがなぜ楽しいか?」ということを深く追求して理解して、それを Web の制作にも活かしていきましょうというお話でした。

なぜ楽しいかを分解

まずおおまかに「楽しい」といっても、いろいろな要素に分解すると理解しやすいというお話がありました。

  • 収集 (集めたい)
  • 競争 (誰かに勝ちたい・誰かが競っているのを見たい)
  • 協力 (いっしょにやりたい)
  • 学習・改善 (できるようになる・うまくなりたい・その過程が見える)
  • 瞬時 (今!である・早いこと)
  • 自己表現 (特別でありたい・自分を知ってもらいたい)

() の中はわかりやすい表現をあててみました。

確かに、自分のことを思い返してみても、大小はあるにせよこれらの要素が「楽しい」の元になっていると思います。例えば、映画やスポーツなんかを部屋で一人で見ていても、ツイッターで共有していると楽しい、っていうのも「瞬時」で説明できるのだと思いました。

そして、支持されているサイト (今回の例では YouTube) は、これらの要素をうまく取り入れているということでした。なにかを作るとき、そりゃあ楽しくしようと考えるわけですが、このようにバラバラに分解すると、具体的に見えてくるのだと思いました。

UXの根底「記憶に残るのはなに?」

「今年は UX の年だった」と言われているようです。ぼくもいろいろなところで UX という言葉を耳にしました。よく耳にする割にいまいちつかめない UX。「使う人にいい体験をさせよう」というぐらいで曖昧に理解していましたが、もう少し掘り下がりました。

ブラウザを閉じたときに、なにが記憶に残っているか?

どんなよい体験を記憶に残してあげるかを考えて設計するとよい、ということだと理解しました。言葉にすれば簡単ですが、実際に実行するにはどうしたらいいんだろう・・。途方もない話に思えてしまいますが、とりあえず新しい概念を考えるきっかけになってくれました。

ここのところ、人間の根本的な性質を見ることが大事という話をよく聞きます。この話もそういったことに関係してくるのかな。

そこに「ひと」がいること

たくさん人がいることは「楽しい」を作るのに非常に重要というお話がありました。あたりまえと言えばあたりまえかもしれませんが、やっぱり「ひと」というキーワードが琴線に触れる今日この頃です。

学ぶのは楽しい?

ひとつガツンときた言葉がありました。

Fun is another word for learning 「楽しむ」は「学ぶ」の別の言葉である

自分の中で、ストンと腑に落ちました。

思い返してみれば、できなかったフレーズが弾けるようになるのも、マリオのできなかったステージがクリアできるのも、勉強会に出ていろんなことを知るのも、技術を身につけてひとつ仕事の幅が広がるのも、なにかを学んでできるようになることは、楽しいことなんだと。ちょっと自分のことがわかった気がします。

これに加え、自己完結の「学び」だとちょっと弱いので、ほかの要素と組み合わせて発展させるといろいろなことのヒントになりそうだなと思いました。

  • 「収集」学んだ成果を集めて見えるようにする
  • 「競争」学んだことで競争に勝つ
  • 「協力」学んだことを誰かと持ち寄ってもっと大きな事をする
  • 「瞬時」すぐに学びの成果がわかる
  • 「自己表現」学んで他人とは違う自分になる

参考

WCANで話したゲームの仕組みと楽しさの関係 : could

[SESSION-3] 激動のWeb業界、生き残るための3つのテーマ

株式会社タービン・インタラクティブの志水さんのセッションです。このセッションはとても「おもしろい」というか、映画みたいと言えばいいすぎですが、どこかストーリーを感じるセッションでした。「Web を仕事としているぼくらは、これからどうしていくべきか」という、方向性を示してくれるようなセッションだったと思います。

時代はどんどん変化している

まず、40年前にあった「お茶の間」という文化、みんなが同じ情報を見ているという時代から、今では情報がありすぎて、「どんな情報を得たらいいのかわからない」「すべての情報を得られないストレスを感じる」というように、どんどん変化している。それに合わせて生活もビジネスもどんどん変化している、というお話がありました。

実際自分の周りも変化を感じるのですが、こういった機会でもないとしっかり意識できないのだと思いました。さらにこれからはもっと加速していきそうな気がします。その変化にどう対応していくか、この後のお話で出てきました。

ニーズをとらえる

ご自身の体験の中から、「ニーズをとらえればバリューが生まれる」というお話がありました。これは、「人の役に立つ」「ひとにありがとうって言ってもらえる」ように、自分の位置をずらすとよい、ということだと理解しました。しかし、これは考え方の部分であって、役に立つための技術は身につけておいた上でのことだと思いました。誰かの役に立てる武器を磨いておくこと、これ大事。

ビジネスを理解する

  1. ビジネスを理解する (社会性)
  2. ユーザーを理解する (共感性)
  3. テクノロジーや技術を身につける

上の3つについて、1、2、3の順番で重要だというお話がありました。役に立つ技術も、ビジネスを理解していないと思うように使えないということでしょうか。

真摯な姿勢で学ぶ

グサっとくる言葉がありました。

学ぶか、過ごすか

ただそこにいて与えられた仕事をこなすだけでも、時間は過ぎていくし、お金ももらえる。でも、それでは将来困ることがあるよと、そんなお話だったと思います。

3つのテーマ

「激動のWeb業界、生き残るための3つのテーマ」の3つについて、明言されていたかはちょっと覚えていないのですが、個人的にこれではと思うものがこれらです。

  • 役に立てる技術を身につける
  • お客さんのビジネスを理解する
  • 日々の業務から真摯に学ぶ

はい。

そのほか

セッション以外についてちょっとだけ書いておきます。

ライトニングトーク

今回は応募がなくてトライデント専門学校の学生さんだけでした。ほんと若いのに自分よりずっとすごいなと思います。ぼくもやってみたい気持ちはあるのですが、なかなか。いつかは・・

WCAN ロゴマーク

年末の WCAN ということで、恒例のロゴマーク投票がありました。選ばれた梅田さんおめでとうございます!投票前にご本人から説明する時間があったのですが、想いがカタチになってるなあ、と。

個人的には ToDo リストに「WCAN ロゴを作る」とありながら、結局出せず。次回は必ず・・

懇親会

100名を超える人がひとつのフロアにいてわいわい。毎回参加していると、参加者さんにも知り合いが多いです。ありがたいことです。

Ust にて反省会

Ust で配信をしながら振り返るってことをやっています。これを書く前に聞き返してみたのですが、しゃべれていなくてなんともヒドイ。(一緒に話した @suzuki_curry はしっかりしゃべってましたー)

とりあえず、アーカイブとして残しておきます。お粗末さまです。


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