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整いました!WCAN 2010 Summer まとめ。
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- 2010-07-13 (火)
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WCAN 2010 Summer に参加しました。 今回は、まさかの電車の乗り間違えで40分の遅刻・・・。最初のセッションが半分しか聞けませんでした。とっても残念。
あと、遅刻した都合、後ろの方の席に座ったのですが、やっぱり前の方が見やすくて集中できます。 「WCANは早めにきて前のほうに座るのが吉」と心得ました。
毎度そうなんですが、今回もとってもためになるお話が聞けたので、復習がてらまとめておきます。
session1 加川 大志郎さん IA (インフォメーションアーキテクチャ) の話
残念なことに、電車に乗り間違えたため半分しか聞けず・・・ 半分しか聞いてないのにすごく満足感がある、だけにくやしい。
あやふやな理解になってしまいましたが、このセッションはツイッターのハッシュタグ (#wcan47) に上がってた「IA=LOVE」に象徴されているんじゃないかと思いました。
クライアントさんや、エンドユーザーのことを意識して、LOVE(おもてなし精神) でサイトを作ることが大事。 でも、やっぱり気持ちだけじゃダメで、方法論はしっかり勉強して身につけないとダメ。
時に技術より気持ちが大事ですが、やっぱり「力」がないと成果はでないと思います。
以下、キーワードを抜粋。
サイトの人格
これはサイトを作る人なら誰でもやっていると思うのですが、考え方としての擬人化がとてもいいなと思いました。
- どんなしゃべりかた?
- 好きな色は?
- 元気?
- おとなしい?
- かたい?
- やわらかい?
- 丁寧?
- フレンドリー?
って、 実際にクライアントさんに聞いたり、自分の中で対話しながら制作を進めると作業がしやすいんじゃないかと思います。
セカンドページを「階層」ではなく「文脈」で
セカンドページというと、「ローカルナビゲーションで」っていうのが常識だと思っていたのですが、階層をメインに考えず文脈を意識してコンテンツを配置していくという方法。
これは新しい考えで、新鮮に思えました。
IAはみんなでやろう!
「誰が」ってことはない。
サイトオーナー + ディレクター + デザイナー + コーダー
みんなでやるもの。
ローンチからSTART
ウェブサイトは作ってからがスタートです。
ウェブ制作をしている側からしたら常識のこのことを、どうやって共有、理解できるか。
「お問い合わせ」ページに見る IA=LOVE
クライアントさんの会社の体制まで考えて「お問い合わせ」ページを作ることが広義のIA。
- 電話がいいのか
- メールがいいのか
- 対応できる社員さんはいるのか
- 複数の事業所がある場合はどうするか
そこまで考えて、たった1ページを作る。
「○○万円でメールフォーム作ります」じゃダメってことで、コスト問題はウェブサイトの制作にとって大きな問題だなあ。
色をつけるのがWebデザイナーじゃない
ワイヤーフレームを装飾するのがウェブデザインではない。
「デザイン」という言葉の意味にも通じると思うのですが、勘違いされがちですね。 例えば、色をつける作業をする人を「ウェブグラフィックオペレーター」とかって呼んだらわかりやすいと思うのですが・・・。
1ページ○○円 の見積もりをださない
この見積もりのしかたをしてしまうと、結局無理やしがらみがでてきて、最終的にできあがったもののクオリティーがいまいちになってしまう。 そうならないために「信頼・人」で買っていただくこと。
うーん、理想ですが。むずかしい・・・。
LT ライトニング (稲妻) トーク
たった5分の中、皆さん趣向をこらしてよくもまあこんなにも、という感じです。
岩田 享さん@メガネラボ 「ニコニコ動画API」
「ニコニコ動画API」と聞いただけで、自分には手の届かないもの、と思ってしまいがちなのですが、XMLで管理されてるところとか、何とかなるかもという感覚がつかめました。
佐藤 歩さん@アップルップル 「iPad用Webアプリ」
ウェブを作ってる人間がの手の届く範囲に「iPadアプリ」はある。 ということが辛うじてわかりました。
いつも通り安定のプレゼン (しかもiPad) はクオリティー高し。 iPadでやるところなんか、エンターテイメント性とサービス精神を感じます。
川澄美里さん@モンキーワークスさん 「人間中心設計セミナー」
いつもお世話になっております。
第一回から3回参加していますが、とてもためになってたのしい勉強会です。 今回の、「IA」のお話と通じるところがあるんじゃないかと思います。
ちなみに、 このブログのHCD (人間中心設計) セミナーに関する記事
山本良子さん@KDDIウェブコミュニケーションズ 「オンラインウェブサイトクリエイター」
オンラインウェブサイトクリエイター = CMSのようなツール
噂には聞いていた「[Jimdo](http://jp.jimdo.com/"ホームページ作成 - 簡単ホームページ作成サービス - Jimdo")」の紹介がありましたが、ほんと使いやすくてなんでもできてしまいそう。
こういったものが増えてくると、ぼくらの仕事の在り方や、やるべきことが変わってくるんじゃいないかと思いました。
伊藤清徳さん@キープラン 「HTMLでiPhoneアプリ」
専用のツールを使えば、HTML/CSS/JS でiPhoneのアプリが作れてしまうという話。
「iPadアプリ」と同じく、ウェブを作ってる人間でも作れるんですね。
session2 高畑 哲平さん サーバーのお話
サーバーのプロフェッショナルが「個人的なサーバー観を語ります」ということで、サーバー会社のサイト上には載っていないないリアルなお話が聞けました。
このお話は実務にすぐに活きてきそうです。
大事なのに、見て見ぬふりをしてきてしまったサーバーのことを勉強するいい機会になりそうです。
オフレコのお話が多かったので、書いてもよさそうな部分だけ書いておきます。
ケータイとサーバーにかけているお金比較
- ケータイにかけるお金の平均 → 約7,800円
- サーバーにかけるお金の平均 → 約1,800円
個人的な利用のケータイ料金に比べて、会社をあずかるサーバーの料金がこんなにも少ないんですね。 もちろん個人利用のサーバーもあると思いますが、不思議な話です。
ただ、供給する側も、サーバーは数百円〜なのに対して、ケータイ料金は高いという問題もありそうですが。
サーバーが落ちる訳
サーバーを利用していて困ることは、「落ちる」ことと「メールが遅れる」こと。
その原因はおおまかに3つ。
- ユーザーの暴走
- 機器の物理的な故障
- 外部からのアタック
「ユーザーの暴走」については自分たちの仕事にも関係のあることだそうです。
というのは、共有サーバーで CGI の知識を十分にもっていないと、知らないうちに他の人に迷惑をかけている可能性があるということです。知らないってのは恐ろしい・・。
「機器の物理的な故障」については、複雑に構築されたシステムだからといっても不具合が起きたときに原因が特定しづらいからいいとはは限らない。
「外部からのアタック」については、ネームバリューがあると狙われやすい、とのことでした。
サーバーへの理解への第一歩といったところになりそうです。
植木 真さん ウェブサイトに関する JIS が改正されますよ、という話
植木さんが以前 WCAN に来たのは、2007年の夏だそうで、偶然にもぼくがはじめて行ったのが2007年の WCAN Summer だったと記憶しています。
さっき調べたらその通り。WCAN 2007 summer 勉強会レポート という記事がありました。この記事を読み返してみると、
そもそもWebとは、一番の意義は、
「誰でも情報を得られるメディアである」
ということ。
なるほど、自分がウェブの世界に入ってけっこう早い段階でこの洗礼を受けていたわけですね。ありがたいことです。
実際にこのときからずっと、この精神は自分の中に息づいている気がします。
今回のお話も、この延長線だと思いました。
そもそも JIS がわかんなかった
お恥ずかしい話ですが、JIS ってよく聞くけど、具体的に何かがわかっていませんでした。
JIS = Japanese Industrial Standards (ジャパニーズ インダストリアル スタンダード)
こうやって書いていただくとわかりやすいです。 なるほど、日本における「人が作った製品がちゃんとしてるか」という基準ということでしょうか。
さらに恥ずかしい話、ウェブにそのような規格があることも知りませんでした・・・。
で、「JIS X 8341-3:2010」とは
ウェブサイトが最低限「使える」ものであるためのガイドライン。
と、理解しました。
今回2004年版からの改正のポイントとして、
- WCAG 2.0 (ウィーケァグ) を採用。海外と足並みをそろえる?
- 明確な基準でテスタブル (評価ができる) 状態になる
- ランク付けが可能に (A、AA、AAA)
- 時代遅れの基準にならないよう、新しい技術にも順次対応できるような方法
- 第三者によるコンテンツ (ブログのコメントとか) は基準に入らない
など、いろいろな変更点があるようです。
まだ作成中の規格ということもあり、実務での制作中にどうの、という話ではありませんが、ウェブを作る人間として最低限知っておかなければならないことだと感じました。
JISに対応すればアクセシビリティーになるか?
対応することが目的になってしまってはダメ、というお話もありました。
アクセシビリティー = 誰でも問題なく使うことができるか
年寄りの人や障がいを持つ人たちは、いろんなハンデを抱えています。
- 目が見えない
- 色がわからない
- 音が聞けない
- マウスが使えない
- 学習できない
- 文字が読めない
などなど。
こういった人たちが問題なく使うことができるのがウェブのあるべき姿なので JIS に対応することは重要。 ただし、JIS に対応したからといって「使いやすい」わけではない、ということ。
使いやすくするのは、先ほどの IA とか HCD とかの分野でしょうか。
下手なウェブサイトを作ってしまうと、特にハンデを持っていない人でも、
- 見えない
- わからない
- 読めない
- たどり着けない
- クリックできない
なんてことはザラにあるなー、と思いました。
おみやげの冊子がステキ
配布物の中にあったこの冊子がとてもいいな、と思いました。
誰もがブログを書く時代なので、ひとりでも情報を得られるように、誰もがアクセシビリティーを意識することが大事なんだと思います。
こうやって冊子 (薄くて読みやすい!) になっていると伝えやすいですね。
まとめ
帰りの電車でザーッとノートを見て思ったのですが、今回の3つのセッションはどれも毛色が違っていてバリエーションに富んでいるな、と思いました。そして、その3つ全部がウェブ制作にとってとても重要なこと。
「このセッションはディレクター向けだよね」とかじゃなくて、ウェブを作る人ならどんなポジションの人も聞いておくとためになる内容なんじゃないかと思いました。
この年に4回のメインの WCAN はそんな側面が強いと思います。 あらためて WCAN があることに感謝です。
ご注意
このブログの内容は、個人的な理解で書いておりますので、実際の正しい情報ではないこともあると思いますので、お気をつけください。また、誤りなどありましたら、ご指摘いただけると幸いです。
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